ガード下の歩道を不法占拠する路上生活者たち、「排除」か「支援」か?


JR山手線「上渋谷架道橋」(東京都渋谷区)の下は、路上生活者、いわゆるホームレスの人々が集まっている場所だ。近辺の宮下公園の再整備計画時には、公園が封鎖されたことに対して、「ホームレスの人々を排除して生活の場を奪った」という非難の声が、彼らを支援する市民団体などから上がった。

このたび、都内の大学に通う学生から、このガード下で生活するホームレスの人々に関する情報が寄せられた。これまでも買い物へ行く時などにガード下を通ることがあり、ホームレスの人々の生活の場であることは知っていたそうだ。大学での社会学の講義をきっかけに、彼らが抱える問題に関心を持ったという。

当サイトでは、学生の案内で現地へ向かった。当日は、ガード下にホームレスの人々の姿は見当たらなかった。学生は言う、「主に寝泊りのために、ここを使っている人が多いようです」。寝泊りに利用していると思われる段ボール箱や毛布、衣服や食品の空き容器などが各所に置かれており、彼らは現在もそこで生活している様子だ。

 

 

 

 

ガード下で生活するホームレスの人々は、そこを不法占拠していることになる。ガード下に渋谷区が設置したバリケードには、「不法占用禁止」という貼り紙がある。渋谷区役所ならびに渋谷警察署の連名で、「この場所にむやみに物を置いたり、ごみを捨てることを禁止します」という警告文も、ガード下の壁面に貼られていた。

 

 

しかし、ホームレスの人々はこれらの掲示物を無視して、生活を営んでいるようだ。さらに、ガード横にあるJR東日本の渋谷変電所の入口近辺にも、彼らの私物らしきものが堂々と置かれていた。施設内への立ち入りや入口への駐車を禁止する掲示物はあったが、生活の場とすることについては書かれていない。

 

 

学生曰く、「ガード下はバリケードがあって居心地もよくないから、天気のいい日はここ(変電所の入口)へ移動しているんじゃないかと思います」。ちなみに、近辺のホームレスの人々の人数は減ったのではないかという。「以前は今よりもずっと悪臭がひどくて、いつも息を止めてガード下を歩いていました」。

このように、かつてはホームレスの人々を否定的にしか見ていなかったそうだ。だが、大学での講義を通じて、彼らの生活の実態や、支援活動を行う人々の存在を知った。その結果、「不法占拠しているのだから排除が正しいのか、それでも人々を追い出すのは不当であって支援こそが人として正しいのか、分からなくなりました」という。

本当に「排除か支援か」という二者択一しかないのか。バリケードや貼り紙を設置した、渋谷区の管理課に話を聞いた。担当者によると、それらは以前から設置されているという。ガード下の一帯は、居住者の入れ替わりが比較的多いそうだ。ガード下の歩道に居住することは不当な占用であり、道路法の規定に反する違法行為であるとのこと。

ただし、彼らに立ち退きを迫ることは、生活の場の強制的な除去でもある。それゆえ、天候や人々の体調なども配慮しながら対応するというのが実情であると、担当者は述べる。また、区の生活福祉課の職員等が定期的に巡回して生活相談を実施するといった、福祉面での支援とあわせて、継続的な取り組みがなされているという。

 

高橋 


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