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コロナウイルス感染で重症化、マスク不足により深刻な事態に直面する患者とは

新型コロナウイルスの感染拡大が進む一方で、依然としてマスクの入手は困難だ。近頃は、「マスクが品薄な状況が続くと、花粉症の人々も困る」というような話も各所に飛び交っている。だが、マスクの不足に伴ってリウマチ患者が深刻な事態に直面する可能性が高いことは、あまり知られていないのではないだろうか。

当サイトでは、リウマチで歩行が困難になったことで生活が一変したという読者の体験談を、2018年に掲載した。この人物から、その後の状況に関する報告が当サイトに寄せられた。前回の記事を掲載以降、病状は改善に向かわなかった。そのため、「オレンシア」という高額だが効果を期待できる治療薬を使い始めた。

 

情報提供者が自宅で使用している、オレンシアの注射。

 

情報提供者が日頃から使用している、オレンシア以外の治療薬。

 

初回は約10万円、その後は毎月約5万円と高額な薬だ。その効果は高く、オレンシアを使い始めてから1か月ほどで、杖を使わなくても済むようになった。まだ痛みはあるとはいえ、たまに家事もできるようになったという。しかし、痛みが和らいだことと引き換えに、大きなリスクを背負うこととなった。

 

毎月の支払額(個人情報等が記されている部分に当サイトでモザイク加工を追加)。

 

リウマチの痛みは、免疫の異常が原因とされる。免疫の働きを抑えることで、症状を和らげる効果があるのがオレンシアだ。ところが、オレンシアの使用によって免疫が低下する結果、ウイルスに感染しやすくなる。しかも、リウマチ患者は肺炎になりやすいというのだ。コロナウイルスに感染したならば、致命的な事態になりかねない。

感染を防ぐための対策の基本は、うがいや手洗いだ。情報提供者の場合、医療用アルコールも使用している。病院で血液検査や注射の時に使用する、アルコールを含ませた脱脂綿だ。自宅でオレンシアを注射するためのものだが、ドアノブやスマホなどの手で触れるものを拭くといった使い方も可能なので、重宝しているという。

 

医療用アルコールを含ませた脱脂綿。

 

もちろん、マスクは必須だ。マスクを着用しないで外出することは、通常の人々と比べて、はるかにリスクが高い。それゆえ、マスクの入手が困難な状況が長期化していることは、情報提供者にとっては深刻であると言える。「(手元にある)マスクはかなり数が減ってきているので、無駄に使わないようにしています」。

このような状況で、コロナウイルスの感染拡大に怯えている。「結局、家にいることが一番となってしまっています。歩けるようになってきたのに・・・」。ちなみに、オレンシアの効果や副作用には個人差があるようだ。本記事で紹介した内容が、全てのリウマチ患者に当てはまるとは限らないことには注意していただきたい。

 

高橋 

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