事件か事故か?精神疾患の男性が起こした事故


地方都市にある信号機が設置されている十字路交差点で、複数の自動車が関係する追突事故が発生しました。事故が発生した交差点は住宅街にあるものの、幹線道路で片側に複数の車線があり、見通しのよいところでした。

赤信号で停止している車に自動車が追突し、追突された車が前の車へ追突。並んでいた車が次々と追突し、7台の車が関係する多重追突事故でした。

追突した自動車を運転していた男性は精神疾患で治療を受けており、妻と喧嘩をして家を出た直後に事故を起こしました。男性は、車内で気を失っており、救急車で病院へ搬送されました。幸い、事故の関係者に重い怪我をした人はなく、男性も事故当日外科病棟から精神科病棟へ転院しました。

男性の運転していた自動車は大破。室内ではエアバックが飛び出し、血痕が飛び散っていました。そして、ダッシュボードから男性が書いたメモが出てきたのです。


※個人情報保護のため、写真を加工しています。

その内容は、
「そこまでゆうなら、しんでやる」(原文のまま)というものでした。

自動車保険会社は、事故原因について調査を依頼してきました。
このような事故原因を調査するというのはよくあることです。なぜなら、自動車保険は、過失、すなわち運転手の判断ミスや操作ミスが原因で発生した事故に対して支払われるもので、自殺など故意が原因で発生させた事故には、保険会社は保険金の支払いをしなくて済むからです。

事故現場では事故直後の運転手の様子を目撃した人に会えましたが、運転手の男性の自殺を根拠づける証言はありませんでした。また、警察でも「本件は自殺ではありません。理由は本人が自殺を否定しています。だれが書いたかも定かでありませんし、メモが車内にあったという状況証拠だけで自殺かどうか決められません。それに事故の原因が自殺の場合、事故証明書を発行しません」という回答でした。


※画像は交通事故安全センターHPより引用

治療を担当した医師に話を聞くと、事故当日男性は妻に浮気を疑われ諍いになったそうです。妻は自殺をしようと男性が普段服用している薬を飲もうとしたため、男性は薬を取返し、妻が飲もうとした薬をすべて飲み、妻の書いた死を仄めかすメモを捨てるため外出したということでした。実はその薬の中に睡眠薬が含まれていたそうです。

結局、事故の原因は自殺、事件ではなく、居眠りによる事故でした。
保険会社は被害者への支払いをしましたが、運転手男性への保険金の支払いを拒絶しました。

ガルエージェンシー吉祥寺  代表・師 靖人
東京生まれの東京育ち。23区内から都下の隅々まで熟知し、土地勘がものを言う尾行には絶対の自信を持つ。浮気調査は特に依頼者から絶大な信頼を得ており、リピーターや弁護士からの紹介案件も多い。15年以上ノークレームの探偵。