日産自動車の前会長カルロス・ゴーン氏が逮捕された事件には、「司法取引制度」が適用されました。この司法取引とはどんな制度なのでしょうか?
デジタル大辞林によると、
『被告人が、容疑の一部や軽い罪を認めて有罪の答弁をしたり、捜査に協力したりする見返りに、訴因を減らしたり、求刑を軽くしたりする。補説]被疑者・被告人が自身の犯罪事実を認める「自己負罪型」と、他人の犯罪事実を解明するための供述や証言をする「捜査・公判協力型」があり、日本では、平成30年(2018)6月から、捜査・公判協力型の協議・合意制度が導入されている』
要するに、ある人の犯罪について事実を話をするから、自分については裁判を免除してもらったり、罰を軽くしてもらう、
いわゆる 「チクる」 ことです。
では、「チクる」内容には制限があるのでしょうか?
朝日新聞によると、日本版の司法取引の対象となるのは、「暴力団が絡む特殊詐欺や、贈収賄などの経済犯罪のほか、薬物・銃器犯罪などがある」とのこと。
ゴーン氏は金融商品取引法違反の疑いで逮捕されており、金融商品取引法違反は経済犯罪の一種類で、司法取引制度が適用されます。そして、ゴーン氏の部下は、捜査に協力する見返りに刑事処分を軽くなる合意がなされているそうです。その為、殺人や強盗の共犯者が、警察に主犯にことを話してもこの取引制度の対象にはならず、罪が軽くなったりしません。しかし、大企業や暴力団などの組織に埋もれていた犯罪を明らかにでき、難しい事件が解決できる手段として期待されています。
その一方、司法取引制度には危険な面があると言われています。
それは、自分の犯罪を免れるためや他人を犯罪者にする目的で嘘の話をする人が出てくるのではないか、という冤罪を作り出してしまう危険生が指摘されています。そこで、嘘の話をした者は5年以下の懲役が科せられるほか、刑事処分を軽くする合意の協議には、話をする人の弁護士が立ち会うなどが定められています。
この司法取引が適用されるのは日産自動車事件で2例目とのこと。
今後、内部通報者探しに探偵が活躍していくことでしょう。
ガルエージェンシー吉祥寺 代表・師 靖人(0120-25-3336)
東京生まれの東京育ち。23区内から都下の隅々まで熟知し、土地勘がものを言う尾行には絶対の自信を持つ。浮気調査は特に依頼者から絶大な信頼を得ており、リピーターや弁護士からの紹介案件も多い。15年以上ノークレームの探偵。