消えたサバ缶から現象を考察する ~探偵の思考トレーニング


50年くらい前に石油の輸入量が減り、当時の通産大臣が紙の節約を呼びかけると、全国の主婦がトイレットペーパーを買い占めに走るという「トイレットペーパー騒動」が起こりました。
そんな狂騒にはなっていませんが、日本のスーパーである品が手に入りにくくなりました。


写真:空の商品棚

「サバ缶ブームになっているって聞いてましたけど、ホントに売れてるんですね。こないだも水煮缶が売り切れで、スーパーを何件もはしごしたのにどこにも売っていなくて」
と、缶詰コーナーでサバ缶を探していた主婦。

いまサバ缶の品薄状態になっています!

なぜサバ缶が品薄なのでしょうか。
サバ缶にはDHA、カルシウム、ビタミンB12が含まれており、特にDHAには中性脂肪、コレストロール低下などのダイエット効果だけでなく、アトピーやアレルギー、がんにまで効果がある・・・・・・、そんな内容をテレビの情報番組で取り上げたものですから、サバ缶、特に水煮缶が爆発的に売れ始め、ほかの味噌煮やしょうゆ煮を含めサバ缶全体が品薄状態になったといわれています。

しかし、テレビ番組の影響だけが品薄になる原因ではないようです。
実はサバ缶は2014年に魚の缶詰めの生産量で第1位になり、ツナ缶を抜いて魚の缶詰の代表格になっていました。つまり、たくさんのサバ缶を作るためにはたくさんのサバが必要になります。
しかし、そのサバが不漁になりました。原因は異常気象による海水温の上昇でした。さらに、地震によってサバ缶の生産工場が数十日稼働できなくなり、供給が追い付かなくなったのです。それは、昨年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響でした。実は2011年の東日本大震災の際にも、サバ缶の供給が止まったことがありました。

テレビ番組でブームになり需要が増大しましたが、異常気象によるサバの不漁や地震による生産ストップがスーパーからサバ缶が消えた理由といえます。

ところで、サバ缶に含まれる栄養価はイワシ缶やサンマ缶にも含まれています。サバ缶が買えなくても、その変わりはあるのです。ところが、いまサバ缶だけでなくイワシ缶やサンマ缶の値上げが進んでいます。コレストロールは下がってもエンゲル係数は上がることになりそうです。なお現在はサバ缶の品薄状態は改善されています。


写真:棚に並び始めたサバ缶

ある現象を小さい項目ごとに考える分析と、大きく広げていく敷衍(ふえん)。消えたサバ缶を使っての探偵の思考トレーニングでした。

ガルエージェンシー吉祥寺  代表・師 靖人
東京生まれの東京育ち。23区内から都下の隅々まで熟知し、土地勘がものを言う尾行には絶対の自信を持つ。浮気調査は特に依頼者から絶大な信頼を得ており、リピーターや弁護士からの紹介案件も多い。15年以上ノークレームの探偵。