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生徒の顔面に膝蹴りした暴力教師、「僕がけがをしたので2年間休職します」

前回のつづき)


確かに、理由の如何に問わず、人に暴力を振るうことは断じて許されない。教師Hの顔面を殴打した生徒Aが、警察において取り調べを受け、少年法に基づいて処断されたのは当然だと言えよう。

しかし、Aから暴行されたHが反撃して殴打した行為、階段で2度にわたりAを突き飛ばした行為、Aの顔面に膝蹴りした行為、Aの頸部を締め上げた行為については、HのAに対する暴行罪の成立が認められる。

つまり、この事件は「やられたから、やりかえした」という相被疑事件(注:事件の双方の当事者が加害者となる事件)なのだ。そのため、AがHを刑事告訴したのも、大阪府警がそれを受理したのも何ら不思議ではない。


ただ、大きな疑問が残るのは、刑事告訴が事件から2年も経っていたということ。何故、Aはここに来て刑事告訴に踏み切ったのだろうか? その理由はこうだ。

この事件の後、Hは2015年11月までの約2年間、休職したからである!

そんなことできるの? と思うかもしれないが、この事件で負ったけがの治療を理由に、Hが公務災害を申請して約2年間休んだのは事実である。


そもそも、Hのけがはどの程度のものだったのだろうか? 医師の診断書によると、「鼻骨骨折」と「TFCC損傷(両手)」だった。

TFCC損傷というのは、テニスの選手などに多く見られる、手首の三角線維軟骨を痛めるけがである。


一般社団法人 日本手外科学会HPより


Aの頸部をヘッドロックのように締め上げた際、Aが苦しくて気道を確保するためにHの腕を掴んだことにより、このけがを両手に負ったとHは主張しているのか・・・?

ここでさらなる疑問が生じる!


(つづく)

 

ガルエージェンシー奈良橿原ガルエージェンシー奈良中央ガルエージェンシー奈良王寺
代表・福林 英哉(0120-783-056)
刑事警察において組織犯罪や特殊知能犯罪を担当し、1999年にガル奈良橿原、2013年にガル奈良中央、2016年に奈良王寺を開設。これまでに刑事、民事事件を多数解決する。卓越した調査力、誠実で丁寧な相談が好評を得ている。

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